学科試験と実技(論述)試験の最中に机の上へ置けるものは、両団体とも受験票・腕時計・筆記具・消しゴムの4つだけです。定規もメモ用紙も筆記用具入れも、机の上には置けずカバンの中にしまうことになります。これは講座や受験者の解説ではなく、当日配られる問題用紙の1ページ目に印刷されている注意事項に書かれていることです。
この記事は、キャリアコンサルティング協議会(キャリ協)と日本キャリア開発協会(JCDA)が公表している資料だけを根拠にしています。使ったのは、第30回の論述問題用紙(両団体)の注意事項、JCDAのよくある質問の試験当日の項目、キャリ協のお知らせ、そして第33回の受験案内です。
検索して出てくる持ち物リストの多くは、受験した人が自分の記憶で書いたものです。役に立つ場合もありますが、書かれている物が本当に机上に置けるかどうかは別の話です。ここでは公式文書に記載がある物と、記載が無い物を分けて示します。
机の上に置けるものは、受験票・腕時計・筆記具・消しゴムだけ
両団体の論述問題用紙は、注意事項の3番と4番で机上に置ける物を限定しています。まず記載の有無を並べると次のとおりです。
| 物 | キャリ協の記載 | JCDAの記載 |
|---|---|---|
| 受験票 | 机上に置ける。通路側に見えるように置く | 机上に置ける。通路側に見えるように置く |
| 腕時計 | 机上に置ける | 机上に置ける。ウェアラブル端末は不可・音を発しないもの |
| 筆記具(鉛筆・シャープペンシル) | 黒に限る | 黒に限る(よくある質問でHBを指定) |
| 消しゴム | 机上に置ける | 机上に置ける |
| 定規・メモ用紙・筆記用具入れ | 机上に置かずカバンなどにしまう | 机上に置かずカバンの中などにしまう |
| 携帯電話・スマートフォン・スマートウォッチ | 使用禁止。電源を切ってしまう | 使用できない。電源を切ってしまう |
| 色付きの鉛筆・ペン・マーカー類 | 机上に置けない(第20回から) | 色ペンの持ち込みは不可 |
| 飲み物・ハンカチ・耳栓・目薬・ひざ掛け | 記載を確認できない | 申し出て許可を受ければ使用できる |
| 身分証明書 | 記載を確認できない | 記載を確認できない |
キャリ協の第30回問題用紙の該当箇所です。
3. 試験中に机上に置ける物は、受験票、腕時計、筆記具(黒の鉛筆もしくはシャープペンシル・消しゴム)です。それ以外のもの(定規・メモ用紙・筆記用具入れ等)は机上に置かず、カバンなどの中にしまってください。 4. 受験票は、机上の通路側に見えるように置いてください。
JCDAは同じ内容を、置ける物ではなく置けない物の側から書いています。腕時計に条件が付いている点だけがキャリ協と違います。
3. 試験中は、受験票、腕時計(腕時計型ウェアラブル端末の使用は不可、音を発しないもの)、筆記具(鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)以外のもの(定規、メモ用紙、筆記用具入れ等)は机上に置かず、カバンの中などにしまってください。 4. 受験票は、机上の通路側に見えるように置いてください。
JCDAのよくある質問にも、机の上に置けるものを列挙した項目があります。問題用紙の注意事項より詳しく、色ペンの持ち込みと飲み物の扱いまで書かれています。
試験時間中、机の上に置けるものは、受験票のほかに次のとおりです。 ・筆記具(鉛筆またはシャープペンシル、いずれも黒に限ります。色ペンの持ち込みは不可) ・消しゴム ・腕時計(スマートウォッチ等の通信機能を備えた腕時計型ウェアラブル端末の使用は不可) ・蓋付きの容器に入った飲み物やハンカチを机上に置きたい場合は、試験開始前に、試験監督員に申し出て許可を受けてから使用してください。飲み物は、中身をこぼしたりしないよう、十分ご注意ください。(解答用紙が汚損しても交換できません)
筆記具は黒の鉛筆かシャープペンシル — キャリ協は第20回から色付きを机上不可にした
筆記具については、キャリ協が2022年6月9日のお知らせで、机上に置ける物の範囲を明示的に狭めています。解答用紙に書くかどうかとは無関係に、色が付いている筆記具は机の上に出せません。
受験票でご案内している通り、実技(論述)試験において使用できる筆記具は、黒の鉛筆またはシャープペンシルと消しゴムのみです。 第20回キャリアコンサルタント試験から、色付きの鉛筆・ペン・マーカー類は、解答用紙への記入以外でも使用不可となったため、机上に置くことはできません。予めご了承ください。
事例記録や逐語記録の気になる箇所に色を付けながら読む練習をしている場合は、この点に注意してください。本番では黒の鉛筆かシャープペンシル1本で、下線や囲みだけで読み取ることになります。
濃さの指定を書いているのはJCDAです。しかも、指定外の筆記具で書いた解答用紙は採点されないと結果まで明示しています。
学科試験・実技(論述)試験ともに、解答用紙には、必ずHBの鉛筆またはシャープペンシル(いずれも黒に限る)を使用してください。それ以外のもの(フリクションペン等)で記入された解答用紙は採点されませんのでご注意ください。
採点されなくなる条件は筆記具以外にもあります。書く場所や記載漏れを含めた一覧は実技で不合格・採点されない条件にまとめています。
時計は計時機能だけの腕時計 — スマートフォンもスマートウォッチも使えない
会場に時計が無いことがあるため、腕時計は自分で持って行く前提になっています。ただし使えるのは計時機能だけのものに限られます。
試験会場に時計が掲示されていない場合がありますので、腕時計をご持参ください。 なお、使用できるものは計時機能だけの腕時計のみです。(スマートウォッチ等の腕時計型ウェアラブル端末の使用は不可) 以下のものを時計として使用することは一切できませんのでご注意ください。 ・携帯電話、スマートフォンなどの通信機器および電子機器、ストップウオッチなど
キャリ協側は問題用紙の5番で、通信機器と電子機器に加えてアラーム音が出る機器も禁止しています。腕時計を持って行くときは、時報やアラームが鳴らない設定かどうかを前日までに確かめておくのが安全です。
5. 試験室内では、携帯電話・スマートフォン・スマートウォッチ等全ての通信機器および電子機器、時計のアラーム等、音の出る機器は使用禁止です。必ず電源を切り、カバンの中などにしまってください。
論述は時間の制約が大きい試験なので、残り時間を自分で把握できるかどうかが答案の分量に直接影響します。設問ごとの配点と、どこに時間を配分するかの考え方は論述の配点と合格基準を参照してください。
申し出て許可を受ければ置けるもの — 飲み物・ハンカチ・耳栓・目薬・ひざ掛け
上の4つ以外にも、試験開始前に監督員へ申し出て許可を受ければ使えるものがあります。これを明文で書いているのはJCDAのよくある質問だけで、キャリ協の受験案内・お知らせ・問題用紙には同じ記載を確認できませんでした。
耳栓は通信機能が無いものであれば使えます。
使用できます。(通信機能を備えた耳栓の使用は不可) 耳栓の使用を希望する場合は、試験開始前に、試験監督員に申し出て許可を受けてから使用してください。
目薬や薬は、試験が始まってからカバンを開けることができない点が重要です。
目薬や点鼻薬、薬の服用はできます。ただし、試験開始前に試験監督員に事前の了承を得たうえで外箱から出した状態で机上に置いてください。試験時間中にカバンの中から取り出すことはできません。
ひざ掛けは、上着をひざ掛け代わりにする場合も申し出の対象です。
使用できます。ただし、座布団やひざ掛け(上着等をひざ掛け代わりに使用する場合を含む)の使用を希望する場合は、試験開始前に、試験監督員に申し出て許可を受けてから使用してください。
これらに共通するのは、使いたいなら試験開始前に申し出るという手順です。試験が始まってから机上に出すことはできないので、席に着いた時点で必要な物を判断して申し出ておく必要があります。キャリ協を受験する場合は、同じ扱いが公表資料で確認できないため、当日の監督者の指示と受験票の記載に従ってください。
受験票は、キャリ協は郵送で届き、JCDAは自分で印刷して持参する
机上に必ず置く受験票は、手元に届く経路が団体で違います。キャリ協は郵送で、届かない場合の期限まで受験案内に書かれています。
受験票は2026 年10 月8 日(予定)に、受験申請書に記載された住所へ郵便にて発送いたします。10 月15 日までに届かない場合は、10 月16 日以降協議会までお問い合わせください。
JCDAは郵送されません。受験票発行日は2026年10月14日(水)で、マイページからダウンロードしたものを自分で印刷して持って行きます。
マイページよりダウンロードした受験票は印刷して試験会場へお持ちください。
面接の日時と会場も受験票で個別に通知されるため、受け取ってすぐ確認すべき情報が複数あります。第33回の日程と集合時刻は第33回の日程にまとめています。
まとめ — 公式資料に書かれていないことと、次に取る行動
写真付きの身分証明書を持参するという説明を見かけることがありますが、両団体の第33回受験案内・よくある質問・お知らせ・論述問題用紙のいずれにも、当日に身分証明書を持参する記載は確認できませんでした。本人確認について両団体が書いているのは、受験申請時に貼付・アップロードする写真の要件です。したがって当日の持ち物としては、受験票の記載に従うのが正しい判断になります。
公式資料から言えることは以上です。次に取る行動は3つあります。
- 筆記具を黒の鉛筆かシャープペンシルに替えて練習する。 色を使って読む癖があるなら、下線と囲みだけで事例記録を読む練習に切り替えます。JCDAを受けるならHBを用意します。
- アラームが鳴らない腕時計を用意して、机の上に置いた状態で解いてみる。 時計を持っていない場合は、試験までに調達する必要があります。
- 受験票が届いたら、机上に置ける物の記載と会場・集合時刻を確認する。 キャリ協は10月8日発送で10月15日まで、JCDAは10月14日にマイページで発行されます。届いた受験票の記載が、この記事の内容より優先されます。
答案そのものの作り方は論述の書き方(キャリ協)と論述の書き方(JCDA)に分けてまとめています。