キャリ協とJCDAの違いは、学科ではなく実技にあります。学科は両団体が共同で同一日に共通問題を出しますが、論述と面接は団体ごとに独自に作られ、論述は読む資料と設問の数が違い、面接は評価区分の名称とロールプレイの設定文が違います。合格基準(実技150点満点で90点以上・論述は40%以上・面接は区分ごとに40%以上)と受験料(実技29,900円)は同じです。

この記事は、どちらの団体で受けるかを決める人、または申請済みで自分の団体の形式を確認したい人に向けて、両団体の公表資料の原文を並べたものです。どちらが受かりやすいかは書きません。合格率は方針として扱わず、そもそも採点基準が公開されていないので比較できません。

学科は共同・共通問題、実技は各団体が独自に作成

JCDAの試験説明には、学科の実施方法が次のように書かれています。

学科試験は、登録試験機関である当協会と特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が共同で、同一日に共通問題で行います。

出典: 日本キャリア開発協会「キャリアコンサルタント試験について」

実技が団体ごとに独自であることは、キャリ協の著作権表示から読み取れます。

実技試験については当協議会が独自に作成したものであり、その著作権は当協議会に帰属しています。

出典: キャリアコンサルティング協議会「過去問題/学習情報」

つまり、学科の対策は団体を問わず同じで、違いが出るのは論述と面接です。以下はその2つを項目ごとに並べます。

論述 — キャリ協は事例記録・設問1〜4、JCDAは逐語記録・問い1〜3

出題形式の原文は、キャリ協の受験概要とJCDAの試験要項で次のように違います。

記述式解答(事例記録を読み、設問に解答する)

出典: キャリアコンサルティング協議会「受験概要」

記述式 逐語記録を読み、設問に解答する

出典: 日本キャリア開発協会「試験要項」

問題用紙で確認できる設問構成と配点を並べると、次のとおりです(第30回〜第32回の問題用紙。時間は両団体とも50分、満点50点)。

キャリ協

事例記録(作成途中の記録・相談の概要が【略A】、応答に【下線B】)を読む/設問1〜4/配点 10・10・20・10点/指定語句なし

JCDA

逐語記録(前半共通+後半A・後半B)を読む/問い1〜3/配点 15・20・15点/問い1に指定語句5つ(すべて使用・アンダーライン)

共通するのは、相談者の問題とその根拠を相談者の言動に基づいて書く問い(キャリ協 設問3・JCDA 問い2、どちらも20点で①②に10点ずつ)と、それを踏まえた今後の方針を書く問い(設問4・問い3)です。設問ごとの書き方は論述の書き方(キャリ協)論述の書き方(JCDA)に分けています。

面接 — 評価区分の名称が違う。定義と区分別配点はどちらも非公開

面接の合格基準に出てくる評価区分の名称は、団体で異なります。

合格基準 150点満点で90点以上の得点 *但し、論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要

出典: キャリアコンサルティング協議会「受験概要」

150点満点で90点以上の得点 ただし論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要

出典: 日本キャリア開発協会「試験要項」
キャリ協JCDA
評価区分(名称)態度/展開/自己評価主訴・問題の把握/具体的展開/傾聴
区分ごとの合格条件満点の40%以上満点の40%以上
各区分の定義文公表なし公表なし
区分別の配点公表なし公表なし
口頭試問の質問項目公表なし公表なし

名称以外は両団体とも公表していないので、区分の定義や配点を断定している解説は推測です。口頭試問については、受験者が公開している記録を口頭試問で聞かれることで数えています。

ロールプレイの設定文 — キャリ協は2026年4月14日に「50分のキャリアコンサルティング場面」へ変更

面接のロールプレイは両団体とも「面談開始から最初の15分」ですが、想定する場面の書き方が違います。キャリ協は2026年4月14日のお知らせで設定文を変更しました。

実技(面接)試験におけるロールプレイの出題形式について、以下のとおり一部変更いたしました。 【変更前】 ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して 【変更後】 ロールプレイは50分のキャリアコンサルティング場面を想定して 4月3日公示済みの受験案内についても、上記の通りお読み替えください。

出典: キャリアコンサルティング協議会「お知らせ」

JCDAの試験要項は、変更前のキャリ協と同じ「実際の」のままです。

ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分間という設定で行う。

出典: 日本キャリア開発協会「試験要項」

50分の場面の最初の15分という設定は、15分で結論まで持っていくのではなく、50分の面談の入口として関係を築き問題を捉える段階を見る、と読めます。ただし、この読み方が評価にどう反映されるかは公表されていません。面接の時間はロールプレイ15分と口頭試問5分の20分で、両団体とも同じです。

第33回の受付期間・受験票・面接日程の違い

項目キャリ協JCDA
受験申請受付8月17日〜8月28日8月17日〜8月31日(郵送は締切日消印有効)
受験票10月8日 郵送発送(予定)10月14日 マイページで発行
学科・論述11月1日(日)11月1日(日)
面接11月7・8・13・14・15・21・22日のいずれか11月7・8・14・15日のいずれか(日程で地区が分かれる)
合格発表12月16日12月16日(予定)
実技の受験料29,900円29,900円

日程の原文と会場は第33回の日程に両団体分を載せています。

学科と実技を別の団体で受けることもできる

JCDAのFAQには、団体をまたいだ受験について次のように書かれています。

学科試験と実技試験をそれぞれ別の団体で受験することは可能ですか。 可能です。ただし、同回で受験の場合、両団体で学科・論述試験の試験会場が異なる場合があります。

出典: 日本キャリア開発協会「よくある質問」

学科が共通問題である以上、団体の選択が効くのは実技だけです。論述は事例記録と設問4つか、逐語記録と問い3つ(指定語句あり)のどちらが自分に合うか、面接は養成講習で学んだ枠組みがどちらの評価区分の言葉に近いかで決めることになります。どちらが有利かを示す公表資料はありません。

まとめ — 次に取る行動

  1. 自分の受験団体の論述形式を確認し、該当する書き方の記事(キャリ協JCDA)で設問の要素を分解する
  2. 面接は、公表されている評価区分の名称と40%ルール、ロールプレイの設定文だけを前提にする(定義や配点を断定する解説は根拠がない)
  3. 合格基準の計算は論述の配点と合格基準で確認する
  4. 過去問は団体ごとに別物なので、論述の過去問で自分の団体の3回分を入手する