論述の過去問は、キャリ協・JCDAとも公式サイトで直近3回分をPDFで公開しています。2026年8月時点で開けるのは第30回(2025年11月)・第31回(2026年3月)・第32回(2026年7月)の3回で、第33回(2026年11月1日)が終わると第30回は公開範囲から外れる見込みです。模範解答はどちらの団体も公開しておらず、配点や試験内容の問い合わせにも答えないと明記されています。
この記事は、過去問を探している人に向けて、入手先・公開範囲・設問構成・著作権上の扱いを両団体の原文で整理したものです。過去問の本文(事例記録・逐語記録)はここには転載しません。各団体の著作物であり、出版物その他媒体への掲載が禁止されているためです。解答例も載せません。設問の指示文だけを引用して、構造を説明します。
公開範囲は「直近3回」— キャリ協の原文
キャリ協の過去問題ページには、公開範囲と模範解答について次のように書かれています。
過去に実施した3回分の試験問題を公開しています。 なお配点・試験の内容に関するお問い合わせには、お答えできませんのでご了承ください。 (中略) ※模範解答は公開しておりません。
同じページに、学科の問題・正答と、実技(論述試験)の問題が第32回・第31回・第30回の順で並んでいます。JCDAも公式サイトの「過去問題」から、同じ3回分の論述問題PDFを開けます(2026年8月25日時点で取得を確認)。
第30〜32回 論述問題PDFの一覧(両団体)
キャリ協のPDFは問題用紙と解答用紙が1つのファイルに入っています。JCDAのPDFも問題と解答用紙の様式を含みます。どちらもURLは回ごとに変わるので、上の表のリンクが切れた場合は各団体の過去問題ページから辿ってください。
設問構成と配点 — キャリ協は設問1〜4、JCDAは問い1〜3
問題用紙の冒頭の指示文は、団体で次のように違います。
問題 次の【事例記録】を読み、以下の設問に答えなさい。解答は解答用紙の設問ごとに記述すること。
設問 下記の【事例の前半(共通部分)】と【後半A】、【後半B】を読んで、以下の問いに答えよ。 (【後半A】、【後半B】は、同じ相談者(CL)、同じ主訴の下で行われたケースである)(50 点)
問題用紙から読み取れる構成と配点を1つの表にすると次のとおりです。時間は両団体とも50分、満点は50点です。
| 団体 | 読むもの | 設問 | 配点 |
|---|---|---|---|
| キャリ協 | 事例記録(相談の概要が【略A】、応答に【下線B】) | 設問1 相談者が相談したいこと | 10点 |
| 〃 | 〃 | 設問2 【下線B】の応答の意図 | 10点 |
| 〃 | 〃 | 設問3 ①相談者の問題 ②その根拠 | 20点(2×10点) |
| 〃 | 〃 | 設問4 今後の方針(設問3を踏まえ) | 10点 |
| JCDA | 逐語記録(前半共通+後半A・後半B) | 問い1 後半AとBの対応の違い(指定語句5つ) | 15点 |
| 〃 | 〃 | 問い2 ①相談者の問題 ②その根拠 | 20点(10点×2) |
| 〃 | 〃 | 問い3 今後の方針(問い2を踏まえ・相談者の成長に向けて) | 15点 |
キャリ協の設問文は第30回と第31回で同一で、JCDAの問い1〜3の構造も第30〜32回で同じです(JCDAの指定語句は回ごとに変わります)。設問ごとの分解は論述の書き方(キャリ協)と論述の書き方(JCDA)にあります。
著作権 — 講座等での使用は許諾制、出版物への掲載は禁止
過去問の扱いについて、キャリ協は著作権と使用許諾の手続きを明記しています。
キャリアコンサルタント試験(学科試験・実技試験)の問題・正答・ロールプレイケース・実施要領など(以下、「試験問題等」といいます。)は、学科試験に関しては当協議会並びに特定非営利活動法人日本キャリア開発協会が共同で作成したものであり、その著作権は当協議会並びに特定非営利活動法人日本キャリア開発協会に帰属しています。また、実技試験については当協議会が独自に作成したものであり、その著作権は当協議会に帰属しています。
各団体・組織が、講座・講習・勉強会等で試験問題等を使用するための手続き 学科試験については当協議会並びに特定非営利活動法人日本キャリア開発協会、実技試験については当協議会の許諾が必要です。 以下のフォームにて、使用を希望する日から遅くとも2週間前までに申請してください。 (中略) (2) 出版物その他媒体に載せての販売・頒布・配信・配布等は禁止します。
自分で解くために公式サイトからPDFを開くのは、この手続きの対象ではありません。勉強会や講座で配る、Webに転載する、という使い方は許諾または禁止の範囲に入ります。当サイトが過去問の本文を載せず、設問の指示文だけを引用しているのはこのためです。
模範解答は無い — 手掛かりは設問文・配点・出題範囲細目
模範解答が公開されていない以上、過去問を解いたあとに照らし合わせる「正解」は存在しません。公表されているもので手掛かりになるのは次の3つです。
- 設問文が指示している要素(何を、何に基づいて書けと言っているか)
- 設問別の配点(問題用紙に印刷。20点の設問は①と②に10点ずつ)
- 厚生労働省の出題範囲細目の実技試験の範囲(基本的技能・相談過程において必要な技能)
講座や解説サイトの解答例は、その作成者の解答であって団体の正解ではありません。読むなら、設問の要素を満たしているかという観点で読み、文章を覚える対象にはしないほうが、設問が変わっても対応できます。合格基準(論述は配点の40%以上・実技150点満点で90点以上)は論述の配点と合格基準にまとめています。
まとめ — 次に取る行動
- 自分の受験団体の第30〜32回のPDFを上の表から開き、設問の文言が回をまたいで同じことを確かめる
- 解いた解答を、設問文の要素・配点・出題範囲細目の3つに照らして自分で見直す(模範解答を探さない)
- 団体を決めていない場合は、キャリ協とJCDAの違いで論述の形式を比べる
- 第33回(11月1日)のあとは公開範囲が第31〜33回に入れ替わる見込みなので、第30回を使うなら今のうちに保存しておく